皆様、こんにちは。
はせくらみゆきです。
お元気でいらっしゃいますか?
私は元気にしております。
時は2月の一番寒い時期かと思いきや、
ここフィレンツェも暖冬で、
温かな冬となっております。
雪は降ることなく、
日中は暖房もいりません。
ただ、一カ月ぶりに部屋に戻ってきたときには、
冷え冷えと冷えていて、夜は布団(薄い)の中で、
ダウンジャケットを着て寝たものでした(笑)。
けれども三日後ぐらいにはすっかりあったまっていて、
部屋全体がほわっと温かくなっていました。
石で出来ている建物だからだと思うのですが、
日本とはやはり違うなぁと思いました。
ところで違うといえば、八百屋さんの雰囲気。
こんな感じです。
好きなものを、好きなだけ手に取って、
籠に入れて、店員さんに渡します。
そうすると、一つひとつ秤にかけて、値段を知らせてくれます。
イタリアは野菜が安くて、
両手に一杯抱えきれないほど買ったとしても、
6ユーロ(700円ちょっと)ぐらいでしょうか。
新鮮な野菜は、昔食べたような味がします。
そうか、野菜ってこんな味だったんだと思い出しながら、
いつから日本は「くせある」野菜の味が消えちゃったんだろうな?
と、思ってしまいました。
聞くところによると、スローフード発祥の地でもあるイタリアは、
案の定、食にうるさくて、添加物や農薬の規制なども、
とても厳しいようです。
Bio(オーガニック野菜)の意識も高く、
日常の中に根付いています。
面白いなぁと思ったのは、なんでもオリーブオイルと塩、
バルサミコ酢をかけて、食することです。
サラダもお肉も、おかずもそれ(笑)。
なので、素材がよくなければ美味しくないので、
素材にこだわっているのかなぁ? なんて思いました。
さて、先日私はフィレンツェのあるサロンにて、
ピアノとバイオリンのサロンコンサートに行きました。
やはり音楽はいいですね。
心がふわりと広がります。
そんな心地よい調べを聞きながら、
ここの人たちに、雅楽を聞かせたらどう思うのだろうと、
妄想が膨らんでいました。
きっと人生初の音に、驚きをかくせないことでしょう。
西洋の音のどこにもない、オリエンタルで、かつ宇宙的な音。
不協和音が、さらなる拡がりと深みを出すオリジナルの世界。
シンメトリー(対称性)な美しさを追求した西洋人にはないであろう、
アンシンメトリー(非対称性)な美しさを持つ雅楽の世界は、
わかりやすいシンメトリーを超えた、揺らぎの中から生まれる、
より高次の世界観であることを感じました。
その響きを良しとする日本人の
心の繊細さとこころねの高さを思いました。
どうか、今の時代にあっても、
その麗しき心を忘れずに、
物事の美しさを見つめられる眼を持ちたいと思っています。
余談になりますが、
そんなことを思っていたら、
日本の古代のエネルギーとどうしてもつながりたくなって、
思わず、縄文の土器を描いてしまいました。
これはその絵の一部です。
アカデミアの先生にみせたら、
なんじゃこれは? といわれ、
ひたすら謎な顔をされました(笑)。
きっと、2月末に行われる、
新春の集いの講演会では、いろいろなエピソードと共に、
タイムリーなお話ができると思います。
海外での「ウィルス対策」情報をはじめ、
移民局でのトホホな体験など、
異国での発見と気づきから学ぶ、
日本再発見についても分かち合えたらと思っています。
(新春の集いと万葉ツアーの詳細はこちらです)
https://www.akenoutagagaku.com/shinshun2020/
さて、今月の雅楽をご紹介致しますね。
今月は、雅楽といえばこの曲、という程に有名な、
越天楽をご紹介します。
ただし、調子が盤渉調なのです。
雅楽には、「時の声」というものがありまして、
調子(西洋の楽器になぞらえると、
ト長調とかハ長調とか、といったものです)がかもしだす
音の雰囲気と季節感を結び付け、調子を楽しもうというものです。
平安時代の楽書では、
春は双調(そうじょう)、
夏は黄鐘調(おうしきちょう)
秋は平調(ひょうじょう)
冬は盤渉調(ばんしきちょう)
と綴られており、調子が変わることによって、
季節の移ろいを表しているのです。
というわけで、皆さんもよくご存じの、
平調での越天楽もここでご紹介しておきますね。
聞き比べて、いかがですか?
同じ曲とは思えないほど、雰囲気が違いますよね。
なぜこんなにも違うのか、
その理由については諸説あり、
まだ定かではないようです。
また、この楽曲は、管弦のみの雅楽であり、
舞はありません。
誰でも一度は聞いたことがあるであろう越天楽。
最初のフレーズを聞いたとたんに、あっという間に、
平安の雅な世界に飛びそうなこの曲を、
私は時折、「ヒーリングミュージック」として(笑)、
聞いております。
さあ、今月も、心穏やかに、
朗々と進んでまいりましょうね。
手洗いうがいはしっかりしながらも、
明るい心持ちで、高い時空と共振して過ごしましょう。
どうぞお元気でお過ごしくださいませ。