皆様、こんにちは。お元気ですか?
世の中は、びっくりするほど騒がしいですが、
せめて心は安寧に、“安全運転”で進めていきたいなと思います。
外を見ると、梅の花が満開になっていて、
春の訪れが近いことを感じます。
梅の香りは私が最も好きな香りの一つです。
ごつごつとした木肌に咲く、柔らかい梅の花びらは、
決して華美というわけではないけれど、楚々とした、
高貴な香りがほのかに漂っていて、心も身も清まる気が致します。
おまけに、梅の実―梅干しは、古来より優れた健康食品でありますから、
私たちは本当は年中、いえ、一生にわたり、
この梅さんの恩恵を被っているのですね。
ありがたいことです。
ところで、今、個人的にマイブームとなっている「江戸」の暮らしでは、
たくさんのダジャレが飛び交っていたようです。
たとえば、前述の「ありがたい」というと即座に、
「アリがタイなら、イモムシゃクジラ」
といった具合です。
ちなみに「ありがとう」というと、
「アリが十なら、イモムシゃ二十歳(はたち)」
になります。
なんだかクスっとしてしまいますよね。
…というか寒くなる、ジョーク!?
江戸っ子たちはこのように、
言葉遊びが大好きだったようなのですね。
そのダジャレの質とは、
カラッとした快活なユーモアです。
人を見下したり、相手をバカにしたり、
皮肉ったりする笑いは、「下品」とされていたようです。
では、どんな笑いが「上品」かというと、
スコーンとつきぬけたお茶目な笑いなんですね。
色に例えると「茶」がつくものです。
たとえば…茶化すとか、おちゃ(茶)らける、
茶目っ気たっぷり…といった具合です。
このように緊張がふっと抜けるような笑いが、
人付き合いを円満にし、
温かな人間関係を築くベースにしていたようなのですね。
というのも、当時の江戸の町は、
色々な地域から集まっていますから、
ともすれば藩同士で仲の悪い藩だって、
あるわけです。
もしそんな人が隣に引っ越して来たら…?
といってもケンカもしたくないし、
仲良くやりたいですしね。
そんなときに大いに活用されるのが、
「笑い」という智慧でもあったのです。
カチカチ真面目ばかりがいいわけじゃない。
笑いとユーモアでつながる温かなご縁。
笑いは祓いに通じ、
神代の昔から、新しい扉を開く、
突破口としての役割も果たしていたのではないでしょうか?
外の世界に気を奪われすぎると、
笑顔がなくなり、気も塞がれてしまいます。
それではもったいないのです。
唇に微笑みを。
眼差しに愛を。
人間であることの誇りと自覚をもって、
優しくあたたかく、笑みを浮かべて過ごしましょう。
調和と共に生きましょう。
暮らしを祈りに変えてしまいましょう。
どうか暮らしが暗しにはならないよう、
共に、強気・陽気・元気で過ごしてまいりましょうね。
では今月の雅楽です。
春鶯囀 颯踏(しゅんのうでん さっとう)という、
春にウグイスがさえずる姿の名曲をお届けします。
BGMに聴くと雅な気持ちになりますよ。
それではどうぞ今月もお元気でお過ごしください。
来月は、桜が咲くころにまたお届けいたしますね。
ごきげんよう♬