皆様、こんにちは。お元気ですか?
爽やかな初夏の風が嬉しい五月の時を迎えました。
久々に人手が戻ったゴールデンウィークですが、
皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
私の方は今日、鎌倉までふらりと訪れました。
鶴岡八幡宮までいく小町通りは、ものすごい人出で
びっくりしましたが、活況のある町はやはりいいなと思いましたよ。
コロナ禍の大変な時は、閑散としていて、
その頃は、自転車で小町通りを駆け抜けていましたから(笑)。
さて、今月の話題は、遥か昔のお話、
世界で最も古いとされるシュメール文明についてのお話を少ししたいと思います。
シュメール文明はSumerと書き、戦前はスメル文明と呼んでいたようです。
この、スメというのは尊いとか神なるといった意味合いを持つようで、
スメラミコトのスメ:「皇」も、そのような意味合いなのだなと思います。
そんなシュメール文明は、実に先進的な文明で、
日本に伝わったものとしては・・・印鑑やすごろく、
60進法や太陰暦など、紀元前の文明とは思えない程進んでいました。
また彼らはビールが大好きで、銘柄は16種類はあり、
太陽系の惑星たちの公転周期も完全に把握していた、という謎の民族なのです。
実はこの、シュメール文明、日本語と同じ言語体系を持つ、
膠着語を話していて、自らを頭の黒い人・・・「ウンサンギガ」と言っていたのです。
また、彼らは自分たちのことを「葦の主の原」に住む人たちと呼んでいました。
現地の言葉ではこれを「キエンギ」と呼ぶのですが、
まるで橋原瑞穂の国を彷彿とされる言葉でるよね。
・・・とまあ、ロマンが膨らむ古代文明でありますが、
今回お伝えしたいのは、そのシュメール文明が残した音楽についてなのです。
彼等の時代はまだ音符はないのですが、有名な「楔形文字」の中に、
「その上の音、またその上の音、下の音…」と記述されている音符を示す元型のような
言葉が記されていた粘土板を1960年に発見したとのこと。
それを丹念に調べ、楽譜に起こしたカルフォルニア大学の教授がいらしたのですが、
BC1800年―つまり、紀元前18世紀に奏でられた音楽を、
とうとう再現することに成功したのですね。
超古代に奏でられた音楽の響き・・・それはなんと雅楽のメロディーとにていたのです。
私も聴きましたが、うん・・・・確かに似ている。びっくりでした。
毎月、この通信では、雅楽をご紹介させていただいておりますが、
その響きとにたものを、遥か昔いにしえの、
しかもメソポタミアの地に暮らしていた人が、聴いて楽しんでいたなんて・・・。
と思うと、深い気持ちになりました。
古代の世界では、私たちが知る以上に、世界がつながっていたのかもしれません。
日本にも、シュメールの古拙文字が神社のご神体とされた岩の中に、
刻まれていたりします。
また、楔形文字と日本の神代文字である豊国文字が近いという説もあります。
いずれにしても、確証的なものではないのですが、
少なくとも、楽の響きが似ている、というのは本当なので、
今も昔も、音楽を愉しみ、舞を愉しみ、人々が集い、飲み食いをしながら、
その時観える風景の中で、時を過ごしていたんだろうなと思います。
令和五年を生きる私たちも、いずれは遥か昔の人…になるのでしょうが、
今、この時代を紡ぐ一人として、人と、もの、こと、場を大切にしながら、
悠久の時を刻む気持ちで、暮らしていけたらいいですね。
では、今月の雅楽をご紹介します。
楽曲は、勇壮な舞楽である「抜頭」。
https://www.youtube.com/watch?v=ObCZ5YOnYW0&t=11s
この起源は、親を猛獣に殺されてしまった胡人(古代中国北方の野蛮人)の子が、
猛獣を討ち歓喜する姿をあらわしているという説や、
嫉妬に狂った唐人の妃が髪を乱す姿など諸説あり、
曲名はインド語の「パルト」(格闘)に由来するといわれています。
なんといっても面が印象的ですね。
ちょっとした魔など、あっという間に蹴散らかしてくれそうです(笑)。
それではどうぞ今月もお元気でお過ごしください。