皆様、お元気ですか?
夏越の祓も終わり、季節は夏まっさかりとなりました。
これから暑くなりますが、皆様どうぞ水分補給は忘れずに、
生き生き燃える夏の日をお過ごしくださいね。
なお来月はあけのうた雅楽振興会の夏の恒例行事―夏季研修会がございます。
その中の第二部は、メルマガ会員様限定で、
研修会のスポット参加枠もございますので、
ご興味のある方は、ご参加いただければと思います。
お食事交流会並びに教養部の文化講演会(講師ははせくら)として、
「大局観を育てる比較文化論講座」というものを開催致します。
(神話学から言霊学、歴史、文化など、グローバルな観点から、
考察しつつ、自身の思考や暮らしに役立てていただこうという内容の入門編です)
さて、今月の和の学びは、花暦についてお伝えできたらと思っております。
「花暦」とはその名の通り、花をもって季節を表す、というものです。
ただ、江戸までの太陰暦と違って、現在は太陽暦(グレゴリオ暦)ですので、
季節がともすれば1カ月程ずれてしまっていたりもします。
ですので、かつての花暦と現在の花暦の両方をお伝えいたしますので、
どうぞ、花のイメージと共に、香りや気配(雰囲気)を想起していただき、
イメージの中で一年をかけめぐってみられるとよいかと思います。
1月 旧暦…松 新暦…梅・福寿荘
2月 旧暦…梅 新暦…椿・水仙
3月 旧暦…桜 新暦…桃の花・菜の花
4月 旧暦…藤 新暦…桜・チューリップ
5月 旧暦…あやめ 新暦…藤・カーネーション
6月 旧暦…牡丹 新暦…紫陽花・花菖蒲
7月 旧暦…萩 新暦…くちなし・百合
8月 旧暦…すすき 新暦…百日紅・朝顔
9月 旧暦…菊 新暦…萩・彼岸花
10月 旧暦…紅葉 新暦…木犀・秋桜
11月 旧暦…柳 新暦…山茶花・菊
12月 旧暦…桐 新暦…ビワ・ツワブキ
…となります。
知っているものもあれば、え~、そうだったの? というものもあり、
興味深いですね。何より、こうして年間を通して季節を感じられる国に
生まれていることが有難いことだなぁと思います。
今月7月は、新暦(グレゴリオ暦)では、クチナシ・百合とのことですから、
よければよき香りのする百合を買ってきて、飾られてみてはいかがでしょうか。
ちょっとした工夫で暮らしを豊かに。
和の国に生まれた贅沢を享受できたらと思います。
では今月の雅楽です。今月は「長慶子」です。
平安時代の笛の名手―源博雅(みなもとのひろまさ)の
作曲と伝えられているこの曲は、
舞楽会の締めくくりとしてよく使われているものです。
余韻たっぷりに、時に強く時に柔らかに奏でられるこの曲を通して、
ああ、今宵もよかったなぁ・・・なんて、1000年前の人々も、
月を見上げながらつぶやいていたのでしょうか?
ある意味、現代人のスピードとは全く違う曲のテンポですが、
だからこそ、時を超えてつむがれていく、
大切なものが心の中で優しく膨らんでいくのかもしれません。
それでは今月も佳き月でありますように。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。