皆様、こんにちは。お元気ですか?
月日の経つのは早いもので、あっという間に師走ですね。
これから年末に向けて、何かと忙しくなると思いますが、
どうぞお体にはくれぐれもご自愛くださいませ。
さて、先月中旬までイタリアにいっておりましたが、
戻ってくるなり、バタバタのまま今に至っております。
お陰様で、時差ボケはあったものの、ずっと元気なままで、
動き回っております。
帰国した翌週は北海道に行っていたのですが、
父の帰幽と共に、実家も処分することとなり、
町おこしをしている若い方々へとお渡しすることになりました。
まだ実家にはいろいろなものが残ってはいるのですが、
今回、どうしても気になるものがありまして、
少し大きかったのですが、手に持ってきたものがありました。
それはどうしても、その存在が「持っていってね」といっているように
感じてならなかったからでした。
それは置き時計。
プラスチックケースに入っていて持ち運びできる、
ちょっと優雅な姿をした時計です。
その時計が、リビングに常にあって、
家族の時を刻んでいたのでした。
その時計を、その時々の様々な気持ちをのせて、
見ていたであろう、家族の歴史を紡いでいる時計。
まるでバトンリレーで渡されるかのような感覚で、
時計を持ち帰り、我が家のリビングに置きました。
またここから始まる物語を、時計の時が刻んでくれることでしょう。
帰りの飛行機の中から、色とりどりのパッチワークのように広がっている、
広大な十勝平野を眺めながら、あらためて、
ああ、私はここで生まれ育ったんだなぁ、そしてこの土地は、
父の家族が山口と四国から移住した、
先祖からの歴史があった場所なんだなぁと思いました。
すると、その場所が、空間の拡がりの中に、時の紡ぎが織り込まれた、
時空のタペストリーのように感じられて、
じわーんと胸が高鳴ったのでした。
さて、今月はあけの会の稽古納めと年末の交流会&懇親会がございます。
来年の橿原神宮御奉納に向けて、稽古を重ねながら練り込んでいきたいと思います。
また、年明けの新春の集いは、2024年2月17日(土)に開催予定です。
こちらのほうは、メルマガ会員様に一部門戸を開く予定でございます。
また、ご連絡差し上げたく思いますので、宜しくお願い致します。
当団体は「あけの会」は雅楽(とりわけ神楽)を中心にしながら、
歴史や文化の探求など、さまざまな伝統文化を学び、
私たち一人ひとりが「和の体現者」として、
次世代へと継承していくことを願っております。
年明けには、「日本思想の源流―禊の世界」としての教養部会研修などもあり、
知識と実践を踏まえながら、一歩一歩深めていけたらと思います。
また、はせくら個人の活動としても、
和心をお伝えしていく一貫として、
あけの会のYouTubeでも配信しておりますので、
よろしければご登録下さいませ。
はせくらみゆきことのはチャンネル(あけの会)
https://www.youtube.com/@KotonohaChannel369
また、国史啓蒙家である小名木善行氏の番組にも出演しております。
興味があるものがありましたら、ご覧いただければと思います。
『黄金比と白銀比』日本文化は実用性の文化
ドラえもんやスカイツリーの√2の大和比とは①
黄金比と大和比のコラボレーション
希望や喜びを底で支える大和比の世界②
(雅楽の稽古のことに少し触れています)
【必見!】素数と和歌の三十一文字の秘密
これからの日本には希望しかない
お稲荷さんに込められた願いを紐解いてみた
今よりももっと特別な想いになれる稲荷寿司の秘密
さて、和の文化ということでもう一つ、お話を。
確か昨年もお話したと思うのですが、
師走の恒例行事である「大掃除」について、
タイムリーなのでふれておければと思います。
この師走月に行う大掃除は、ちょっと特別で、
歴史をひもとくと、平安の御代から行われていたとのこと。
というのは、冬至の暖房器具である火鉢や囲炉裏は、
「煤(すす)」が出てしまうため、天井や壁などが、煤だらけになってしまうのです。。
そんな煤を払うために、宮中で行われていた行事が始まりなのだとか。
もっとも江戸時代になると、江戸幕府が12月13日を煤納めの日として、
江戸城の大掃除を行うようになったといわれています。
その行事が庶民にも伝わって、今に至るというわけです。
今では「煤」は出ませんが、
この「煤払い」は、汚れを落として、
厄払いするという意味も兼ねているので、
単に物理的な意味だけではないということです。
この行事の中に流れている精神性としては、
「私たちは皆、本来、真っ新な尊い存在である」
という考え方が根付いているからなのです。
生きていればどうしても気枯れ→穢れ(けがれ)が積もりたまっていくため、
それを払って(祓って)、払って(祓って)、清浄にし、
元のピカピカのまっさらな私たちに戻りましょう、
という無意識の考え方が、影響していると思われます。
また、もう一つの考え方・在り方として、不浄になった空間を、
清浄なものに調え、浄めてから、
新しき年神様をお迎えしようという意識がある、ということです。
そう、家が「神域」となるために。
その神域に住まう人とは誰でしょう?
それが、私たち、一人ひとりだったのですね。
なので、私たちの本質は一人ひとりが「神様」ですよ、
ということを暗に示唆しているのではないでしょうか。
では今月の楽曲をお届けします。
今月は、大掃除に合うかもしれない(と個人的には思っている♪)
ノリのいい和楽―三味線の響きでお届けします。
これを聴くと、身体を動かすにはいられなくなります(笑)。
師走の言葉通り、ちゃきちゃきと動き回りながら、
身も心も場所もすっきりして、素晴らしい新年をお迎えいたしましょう。
今月もお付き合いくださいまして、
誠に有難うございました。