皆様、こんにちは。お元気ですか?
まもなく節分、そして立春がやってきます。
月日が経つのは早いものですね。
さて、まずは、一年の大切な節目でもある、
節分についてのお話をさせていただければと思います。
節分は、皆様もご存じの通り、立春の前日にあたる日です。
もともとは、二十四節気ある春夏秋冬の季節の始まりである、
立春、そして立夏、立秋、立冬の前日すべてが
「節分」と呼ばれていたのですね。
それがいつしか、その中で最も大切にされていた立春の前日のみを、
「節分」と呼ぶようになったのです。
そんな一年の中で、一番大きな節目と考えられていた2月3日の節分は、
いわば、地球から見た(人間が制定したグレゴリオ暦ではなく)、
大晦日のようなもので、次の日から冬から春になりますよ、
といった節目の日なのです。
私たちは節目、節目を大切にして、そのたびに、
すっきりと「禊祓」(みそぎはらひ)をしながら、
ピカピカの自己になって新しい扉(時期)を開いていくのです。
このように定期的に「生まれ変わっていく」風習を持っている人々が、
私たちの国柄だったんですね。
そんな節分には、「鬼は外、福は内」として、豆まきをして邪を祓うのですが、
一説ではその鬼とは丑寅の金神である国常立神のことではないかと云われております。
そのパワーがあまりにも強大なので、どうかお静まり下さい…ということで、
生豆ではなく煎り豆を使うのだとか。
その真意は皆さまの感じ方にゆだねたいと思いますが、そんなお話もあるんですね。
いずれにせよ、自分の内にある不浄なものを祓い、スッキリと立春を迎えて、
清々しく始めましょう、という考え方が根底にありますので、
どうぞ、節分の日には、心穏やかな時間を少しとって、
心を落ち着けながら、要るもの、要らないもの、
といった自己の中にある心の中を、
整理してみられてはいかがでしょうか?
その上で改めて、自分の中にある素晴らしい資質が最大限伸びていくよう、
意図されるとよいかと思います。
そうして2月4日、立春以降は、心新たにスタートしていきましょうね。
ちなみに立春に食べるとよいとされる食べ物は、生菓子なんです♪
うぐいす餅や大福、草餅やお団子などをいただくと縁起が良いとされているんですよ。
(立春じゃなくても食べています~という声が聞こえてきそうです…あ、私のこと⁉ 笑)
また、白い色は邪気を祓うといわれていますので、お豆腐をいただくのもよいのですね。
そんな立春の日にいただくお豆腐のことは、立春大吉豆腐といわれています。
あけの会でのお稽古の際、身に着ける装束も基本は白です。
そうした白の色は、それだけで、身を清め、邪気を祓うということでもあったのですね。
(尚、緋袴などにみられる赤のいろは、生まれたての色でもあります。
赤子という名前にあるように、赤心(邪気の一切ない生のままの心)を持つ、
清々しく真っ新な心が発露した姿が赤となります)
暮らしの中に根付く風習の中に、深い先祖の心が込められています。
そうした心に寄り添いながら、日々、赤心の心で、新しき春を迎えてまいりましょうね。
さて、今月の雅楽です。
春鶯囀一具 (しゅんのうでんいちぐ) 颯踏 (さっとう)です。
こちらの楽曲は、唐楽で、
唐の高僧がうぐいすの声を聴いて、楽師に曲を作らせたといわれるものです。
当時の楽師らが、うぐいすの声をどのように表現したのか、
それらを思いつつ、古代の風を感じながら、今の時空と
イメージで繋げてみるのも風雅かもしれませんね。
個人的に私が、雅楽好きになったのは、二十歳代の頃からなのですが、
大好きだった聖徳太子の命日にあたる4月22日(旧暦の2月22日)に、
天王寺にて行われる雅楽法要を初めて見たときに、
震えるほどの衝撃を受けて、以来、
「理屈はわからないけれど、御霊が喜ぶ音色」ということで好きになったのでした。
今も、聴くたびに、気持ちがゾクッとするのですね。
そういえば、数年前、ドイツの知人宅にお邪魔した時に、
その家の御主人(ドイツ人)が、私が好きな音楽がある、
といって聞かせてくれたものがあります。
それはとてもエキゾチックでミステリアスで美しいといって
ステレオでかけてくれた音楽がなんと越天楽(雅楽の曲)でした。
ドイツの空を見上げながら聞いた大音響の雅楽の音色を聴きながら、
感慨深さでいっぱいになったことをよく覚えています。
さて、二月は最も寒さも厳しくなる時期でもあります。
どうか皆さま、お体には十分気を付けられて、
素敵な毎日をお過ごしくださいね。
今月もお読みいただき誠にありがとうございました。