皆様、こんにちは。お元気ですか?
春爛漫の温かな季節がやってきました。
地域によってはまだ寒いよーというところもあると思いますが、
風は確かに春を告げていて、
柔らかな風の匂いや質感を感じるたびに、
なんだかほっこりと幸せな気持ちになります。
今、我が家のベランダからは、
もうすぐ咲きたいよー(笑)といっている、
桜のつぼみが膨らんでおりまして、
毎日窓を開けるのが楽しみになっています。
桜が咲いたら咲いたで、実際は、ベランダのお掃除が大変なのですが、
薄紅色の柔らかな桜の花びらが落ちている風景は、
なんとも雅で麗しいものです。
四季のある国に生まれた贅沢は、一年を通して楽しめますね。
今月はあけの会で、大事にしているご奉納を控えておりまして、
会員一同、少し緊張気味であります。
けれども、この緊張感もありがたきもので、
静かなる喜びがじわーんと湧き上がってきます。
お稽古や和の学びを通して、御霊磨の場を与えられているということは、
本当に有難いことだなぁと思います。
そんなあけの会の学びとして、
毎回、丁寧にやるものがあります。
それが、「おじぎ」なのです。
日本式の礼―「お辞儀」は日本独特のものですが、
首を相手側に差し出すこの姿は、無防備になる、とういことでもあり、
敵意もなく、相手に心を手向け、敬意を示すといった態度を、
一つの所作として表している姿でもあります。
古くは魏志倭人伝の中にもあるのですから、
その歴史は2000年近くもあるのですね。
なんとも長い歴史に支えられた
「お辞儀」スタイルであったのでしょう。
そんなお辞儀=礼の姿を研修会で大切にしているのですが、
会では神道用語の言葉をもって学んでいます。
神社参拝にも役立つと思いますので、
お伝えさせていただきますね。
まず、神様に対しての礼は「拝」と申します。
あの二礼二拍手の礼は、「拝」の礼だったのです。
そんな「拝」は、神様の御前にての最も礼節のあるお辞儀の仕方で、
90度直角に体を折り曲げます。
縦の90度と、横の90度、このクロスの状態が、
天と地の統合や、火と水の統合として、象徴的に体をもって表されるわけです。
ですので、なるべくピシッと緊張感を持った背骨のまま、
90度を保ち、感謝の祈りをささげた後で腰をすーっと戻します。
その時の手は、ちょうどひざがしらを包むようなかんじです。
(手のひらを膝小僧に充てると、自動的に90度になります)
次に敬意を示す礼があります。それを専門用語では「深ゆう」と呼びます。
こちらは拝礼の直前や直後に行う礼です。
手は、膝の少し上ぐらいの位置で、角度は45度ぐらいです。
間としては半呼吸ぐらいですが、いずれにしても祈りはしっかり届けます。
最後に動作の直前直後や、正式参拝の時に、
玉ぐしなどを受け取るときなどに行う礼がありまして、「小ゆう」と申します。
こちらの礼は、体ごと約15度傾けて、
いったん間をおいてから、スッと戻します。
…ということで神社参拝時にも役立つ、用語解説コーナーでした。
体に沁み込み自分のものとなるにはやはり時間が必要ですが、
美しき礼を通して、美しき心も磨かれるのではと思います。
何か一つでも参考になることがあれば嬉しく思います。
また、ご興味がある方は、会にて様々な学びをご一緒できたらと思います。
それでは次に、今月の雅楽をお伝えします。
今月の雅楽は、宮内省式部寮雅楽課による、
「太平楽急」(たいへいらくのきゅう)です。
天皇即位の礼では「萬歳楽」と並ぶ、
有名な武舞の一つですが、そのなかの「急」のパーツを、
音源のみで聴く動画となっております。
そのため、心と耳で感得していただけたらと思います。
とりわけ高音の音色は、魂を貫くような響きではないかと思います。
私の大好きな雅楽でもあります。ぜひお耳を傾けてくださいね。
最後になりましたが、季節の変わり目でございますので、
どうぞお体にはお気をつけて、
お元気でお過ごしくださいませ。 弥栄!