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はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2024年9月

皆様、こんにちは。
お元気でいらっしゃいますか?
毎日うだるような暑さの夏ではありましたが、
最近は暑さの中にも、風が秋の気配を連れてきて、
時は正確に刻んでいるんだなぁということを想います。

私の方は先月中旬、実家の北海道に戻り、
父の一周忌を終えてきました。
父はちょうどお盆の時に光に戻ったので、
きっとすぐにご先祖様たちとお会いできたのだろうなと思います。

ちょうど同じ時期に、二十数年前、次男を里帰り出産で産みましたので、
その時のことも思い出していました。
実家があった町は、病院のある市から1時間以上離れている場所でした。

次男が生まれ、退院するときに父が迎えに来てくれたのですが、
その時に見えた道路脇の風景―北国に広がる針葉樹林と青々とした農地、
トウモロコシや小麦畑の広がる風景や、
黄色い花が群生している道端などが一緒で、思わず見入ってしまいました。
その花のことでのエピソードを少し綴らせてくださいね。

北国ではちょうどお盆の時期、菊のような花が、至る所に生えているので、
パッと見た目はきれいなのです。
けれどもどこか野性的というか、見境のなく占領してしまうイメージがあって、
少し違和感が残る植物でもあります。
当時、病院から実感へ帰る途中、生まれたばかりの子どもを抱っこしながら、
運転している父に黄色い花のことを聞きました。
「この花ってなんなんだろうね?」」
父は即答しました。
「雑草」。
私「ふーん…」。(内心、ウケる)

…で、今回、妹や母と共に、車に乗って実家のある町へと行く途中に、
同じことを妹に聞きました。
「この花ってなんだろうね?」
妹曰く、
「知らない。雑草じゃない?」(←血は争えないな、と思う…笑)
結局、誰も知らなかったのでネットで調べると、
特定外来生物に指定されている「オオハンゴンソウ」という花でした。
繁殖力が強く、地域の自然環境や農林産業にも
重大な被害をもたらすものとして「特定外来生物」として
駆除対象になっているというものでした。

数十年前に感じた、なんとなくの違和感の正体はこれだったんだ、
と思い、びっくりしました。
けれども同時に、セイタカアワダチソウのことも思い出しました。
秋に黄色い花をつけて大量に繁殖するセイタカアワダチソウは、
明治期のころからはいってきたようで、同じく外来種として、
爆発的な繁殖力をもって、もともとの日本の秋の風景であった、
ススキなどのある野原を変えていったのです。

それは、セイタカアワダチソウから発せられる毒で、他の植物の
成長を阻害させてしまうからです。
ということで長らく栄華を誇っていたその植物ですが、
どんどん繁殖し、セイタカアワダチソウ王国⁉の野原となった後は、
なんと自らの毒で成長が阻害され、これ以上繁殖することができなくなります。

そうしてやがて、もとのススキの風景に戻っていく、
という数十年にもわたる植物のドラマが展開されていく、
という話を聞いたとき(実際、そうなってい風景を多々みかけます。
数十年前の野原は確かに、セイタカアワダチソウだらけだったと思います)

その話をおもったときに、なんとも言えない深い洞察を含む、
お話だなぁと思い、強く印象に残っています。
また、かつてはセイタカアワダチソウは、花粉症の主原因とされ、
かなり敵対視されましたが、それは姿かたちがにている
風媒花の「ブタクサ」の方で、虫媒花のセイタカアワダチソウではなかったことに、
少しホッとしたこともあります。

お盆時期の帰省で見た風景から、父との思い出を機に、
人の世界、植物の世界…など、様々なことに思いを馳せました。
と同時に、今、ここにいること、あること。
私が私として生きているこの現実と状況が、いい悪いを超えて、
ただただ、有難いなと思いました。

時は9月。あと四か月もすると新しい年を迎えます。
令和六年の流れの中でやってきたこと、したいことなど、
さまざまなことやものを、まとめ上げていく流れになると思います。
…といっても無理せず、どーんとかまえながら、
爽やかな秋の風と共に進んでいけたらいいですね

では今月の雅楽です。
「貴徳」

平安時代初期の伝来といわれる高麗楽です。
高い鼻に鋭い目を持つお面をかぶり、
鉾をもって、勇ましく軽快に舞う一人舞です。

私はこの舞楽の高音域を聴くたびに、
夜に聞こえる虫の音を思わずイメージしてしまうのですね。
それでこの曲を選定させていただきました。
ぜひ、お楽しみください。

また、十周年となる秋の研修会(10月20日)では、
メルマガ会員の方の参加枠も若干ございますので、
ご興味のある方はぜひ、ご参加くださいませ。
それではどうぞ、夏のお疲れなど出ませんように、
お健やかでお元気にお過ごしください。
最後までお読みくださりありがとうございました。

はせくらみゆき 拝

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