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はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2024年12月

皆様、こんにちは。お元気ですか?
月日の経つのは早いもので、あっという間に師走ですね。
これから年末に向けて、何かと忙しくなると思いますが、
どうぞお体にはくれぐれもご自愛くださいませ

さて、あと一か月もするとお正月になります。
確か昨年もお話したとは思いますが、
12月には大掃除をされると思いますので、
そこに関連したお話を少し致しますね。

まず、大掃除ですが、歴史をひもとくと、平安時代から行われていたようです。
というのは、冬至の暖房器具である火鉢や囲炉裏は、
「煤(すす)」が出てしまうため、天井や壁などが、煤だらけになってしまいます。
そんな煤を払うために、宮中で行われていた行事が始まりなのだということです。

もっとも江戸時代になると、江戸幕府が12月13日を煤納めの日として、
江戸城の大掃除を行うようになったといわれています。
その行事が庶民にも伝わって、今に至るというわけです。
今では「煤」は出ませんが、この「煤払い」は、汚れを落として、
厄払いするという意味も兼ねているので、単に物理的な意味だけではありません。

この行事の中に流れている精神性を思うとき、人は皆、本来真っ新な尊い存在である、
という思想に行きつくことが出来ます。
生きていれば半ば必然的に「気枯れ→穢れ(けがれ)」として埃もたまっていくため、
それを払って(祓って)、払って(祓って)、清浄にし、
元のピカピカのまっさらな私たちに戻りましょう、という考え方が根底にあるのですね。

同時に、大掃除を通して、不浄になった空間を、清浄なものに調え、浄めてから、
新しき年神様をお迎えしようということでもあります。
その奥には、家はもともと「神域」であるという考え方があります。
その神域に住まう人とは誰でしょうか?

それは私たち一人ひとりです。
一人ひとりが神として神の形代としてここにいる、という意識。
そこに立ち返るための大掃除、として捉えられると、
お掃除がさらに楽しくなるかもしれませんね。

また、お正月に飾られます門松―松竹梅の意味についてもお伝えしておきますね。

門松に飾られております松は、常若の緑でであり、天照の形代となります。
そしてすくすくとまっすぐ伸びる竹がスサノオの形代。
高貴な香りを漂わせる丸みを帯びた梅の花はツクヨミの形代として
象徴的に表されているということです。
これらの三貴子は、心魂体の象徴とも相まって、
すべてが調和のもとに栄えていく目出度き門出、
および結界としての役も果たしていくということになります。

というわけで、慌ただしくも楽しいお正月準備となりますが、
ここ一年の偉大なる終了、完了と共に、また再び始まる、
新たなる一年が、螺旋の如くますます栄えていきますように、
希望と安心に満ちての日々をお送りされますよう祈念しております。

それでは今月の雅楽をご紹介いたします。
雅楽には「時の声」と呼ばれる四つの調子がありまして、
それをもって醸し出す音の雰囲気を季節に合わせて変えております。
その中で冬の音調は、「盤渉調」と呼ばれ、
しっとりとした音のしらべが広がります。
そこで今回は、雅楽のはじめに奏でられる「音取」を、
盤渉調で奏でたものをご紹介します。

このしらべが聞こえると、「ああ、これから楽が始まるなぁ」
と個人的にはワクワクしてしまうのですよ。
(ちなみに、音取はすぐに終わってしまうので、代表的な雅楽である、
「越天楽」も盤渉調でお届けしますね。

身体は「師走」として動かされながらも、音色に癒されつつ…笑、
どうぞ今月もお元気でお過ごしくださいませ。
本年も大変お世話になりました。
また新春のマンスリー言の葉通信にてお会い致しましょう。

はせくらみゆき 拝

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